肩が上がらない!!実際にあった肩の怪我
【患者】
50代 男性 会社員(デスクワーク)
【スポーツ歴】
ソフトボール、野球、ゴルフ、ジム
【主訴】
8/20(日)にソフトボールをしていて、守備中にボールを取ろうと横っ飛びした際に左肩を強打し受傷。そこから肩が上がらなくなり動かそうとすると痛みが強く、次の日になっても肩が上がらず、肩が脱臼しているのではと不安になり8/21(月)に当院に来院。また服がうまく着れないのも悩みであった。
【症状】
動作時に痛みが強く、自分の力では肩を45度程度しか挙げられないが、骨の位置は正常で腫脹や安静時痛、脱臼の固有症状はみられなかった為、脱臼の可能性は無かった。
他動運動で肩を挙げた(術者が患者の手を持って、肩を上げる)場合は挙げることができるが、90度を超えると痛みが出てくる(ペインフルアーク 陽性)。
術者が患者の肩を90度上げてその肢位で術者が手を放しても90度を保持できた(ドロップアームサイン 陰性)。
以上の事から左肩腱板の部分断裂と判断した。(腱板とは肩を上げたり、安定させたりしている筋肉)
エコー画像 左:患側 右:健側
【治療・経過】
肩関節が固まらないようにゆっくりストレッチや肩上げ体操で肩を動かし、特殊電気で痛みを緩和する施術を行った。
1回施術後 ・・・肩が自分の力でも上げやすくなった
2回施術後・・・自分の力で90度以上、上がるようになった
PS10→6(一番痛いときが10、痛くないのが0)
現在も週2回の治療を継続中
【考察】
腱板の部分断裂で無理をすると完全に断裂してしまうこともある。完全断裂すると全く肩が上がらなくなり、治療も長引くため運動の制限や自宅での指導がとても大切で、今後も経過観察が必要である。