指が伸びない!?手首の骨折の合併症!
手首の骨折、コーレス骨折には様々な合併症があります。
①長母指伸筋腱断裂
②手根管症候群
③尺骨遠位端部骨折
④舟状骨骨折
⑤遠位橈尺関節脱臼および不全脱臼
⑥月状骨脱臼
⑦指・手・肘・肩関節の拘縮
⑧骨端成長軟骨板損傷による成長障害
⑨橈骨神経・尺骨神経・正中神経の神経麻痺
⑩前腕の回旋障害(架橋化骨、橋状化骨)
⑪反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、ズデック骨萎縮
この中から今回は長母指伸筋腱断裂について紹介します。
長母指伸筋腱とは?
長母指伸筋腱とは腕の骨から親指につく筋肉、腱の事です。この筋肉は親指を伸展させる(伸ばす)作用があり、日常生活で手を使うときでも多く使う筋肉です。
コーレス骨折後になんで長母指伸筋腱断裂するの?
長母指伸筋腱は橈骨(腕の骨)のリスター結節という結節を滑車として撓側(親指側)に折れ曲がっています。そのため指を使う度に摩擦が生じますが、それだけで断裂する事はありません。コーレス骨折後に患部に変形治癒を残した場合に結節部分にも変形が残り、余計に長母指伸筋腱にストレスがかかり断裂しやすくなります。骨折をした時に同時に断裂する場合もありますが、多くは変形治癒をしてからの断裂なので、骨折後1.2カ月など時間が経ってから起こります。
親指が伸びないと感じた時は、早期に医療機関に受診する事をお勧めします。
以上がコーレス骨折の合併症の1つ、長母指伸筋腱断裂でした。