スポーツ選手に多いケガ、ストレッチ不足や急なダッシュなどで太もも前面に痛みがでて陥凹がみられる「大腿四頭筋が肉離れ」とは
発生機序
筋肉の疲労や柔軟性不足・ウォーミングアップ不足・コンディショニング不足をもとに、急なダッシュやターン・ストップを行い太もも前面に痛みが出る。その際の肢位が股関節伸展位・膝関節を曲げた時(太もも前面が伸ばされた時)に発生し、その多くは大腿直筋に多く発生する。
症状
①大腿前面に疼痛・圧痛
②腫脹・皮下出血
③膝関節屈曲制限
④筋の完全断裂の場合、受傷直後に太ももに陥凹がみられる。
⑤数日経過したものでは筋の硬結が触れる
損傷の程度による分類
Ⅰ度:軽度な痛みで筋腱の微小な損傷。症状としては腫脹・最小限の筋力低下・可動域制限
Ⅱ度:筋力や可動域が制限される筋腱移行部の損傷
Ⅲ度:筋腱移行部の完全断裂(太もも前面に陥凹がみられる)
検査方法
①関節可動域を見る為に腹臥位で膝の屈曲角度を計測する(踵臀部間距離:HBD)
*軽度:膝関節が90度以上屈曲可能
*中等度: 90度未満の屈曲制限
*重度: 45度以下の屈曲制限
(中等度以上では痛みの為に股関節が屈曲してくる尻上がり現象がみられる)
治療方法
①受傷直後は安静(Rest)冷やす(Ice)圧迫(Compression)挙上(Elevation)のRICE治療を行います。
②重症に対しては原則として荷重歩行は禁止
③徐々に関節可動域訓練を行いストレッチングなども行う
*再発予防が重要なので、筋疲労などため込まない様にストレッチングやウォーミングアップをしっかり行う