スポーツ時の膝のケガ!前十字靭帯損傷の有無を判断するテスト法とは?
今回は前十字靭帯が損傷しているのか判断する為のテスト法「前方引き出しテスト」について紹介していきます!
前方引き出しテスト(Drawer sign)とは
膝に対して膝下(脛骨近位端)を前方に引っ張る事で前十字靭帯の動揺性があるのかをみるテスト方法です。(本来正常な前十字靭帯は膝を前方にいかない様制御している為膝は前方に引き出されないが、損傷して靭帯が伸びていたり切れていると膝が前方に引き出される)
実施方法
①患者さんは上向きで寝て貰います(背臥位)
②損傷している方の足(患肢)の股関節45度曲げ、膝は90度の肢位をとります。
③患者さんに患肢が動かない様固定していただくか、検者が曲げた足の甲(前足部)にお尻(臀部)を乗せ固定します。
④膝とすねの境目内側(脛骨中枢端)を検者は両手で把持し、静かに前方に引き出した際に前方に移動するか否かを確認します。
ラックマンテストとは
前方引き出しテストと同様で前十字靭帯の前方への動揺性を確認するテスト法です。
実施方法
①患者さんは背臥位で寝て貰い、患肢の膝を10~30度に曲げます
②一方の手で太もも下(大腿遠位端部)を把持し、もう一方の手は膝下(下腿近位端部)を把持します。
③下腿を把持した手を後方から前方に引き出し、損傷していない方(健側)と比べて抵抗感や引き出しがみられれば陽性となります。
Nテストとは
下腿が前方へ亜脱臼(関節面が一部接触しているが完全には外れていない)するか、患者さんの不快感の有無を調べるテスト法です。
実施方法
①患者さんは背臥位になり、膝を90度に曲げた状態にします
②検者は一方の母指で膝外側(腓骨頭後方)を当て、もう一方の手は足部外側を把持します
③足部の手を内側に捻り(内旋)つつ下腿を外側にもっていきます(外反)
④それに加え、膝90度からゆっくり伸ばしていき20~40度辺りで不快感や下腿が前方に亜脱臼するかを調べます。
次回は膝の後ろの靭帯「後十字靭帯」の損傷について紹介していきます!