子供が股関節の痛みを訴える「大腿骨頭すべり症」とは
今回は肥満傾向の男児に多くみられる股関節の痛み大腿骨頭すべり症について紹介させて頂きます。
大腿骨頭すべり症とは
思春期の成長が盛んな時期に大腿骨近位骨端線で大腿骨頭が頚部に対して後方へ転位する事により股関節の疼痛と可動域制限が起きる疾患です。
肥満傾向の男児に多く、両側に発生するのが20~40%とされています。
原因とは
①内分泌異常
②局所の力学的異常が考えられるが明確ではない
症状
発症経過によって三つに分類される
①急性
②慢性
③慢性に経過中に急性悪化が起こった物
X線像上すべりの程度により
①前すべり相②軽度③中等度④重度の四段階あります。
・急性では軽度な外傷をきっかけに強い股関節痛がおこり患肢に荷重ができなくなる
(可動域制限と運動時痛)
・慢性例では跛行を主訴として(股関節痛 大腿痛 膝関節痛)が数か月にわたってつづき運動負荷によって悪化する。
*疼痛が股関節ではなく膝関節にある場合は見誤りやすいので注意が必要
・軽度滑りでは内線・屈曲が軽度制限され、すべりが強くなると外旋拘縮となり特に屈曲位で外旋が強く起こるために患側大腿前面をお腹につける事ができない(ドレーマン徴候)
・重度なすべりでは大転子高位となり(トレンデレンブルグ徴候が陽性)となる
合併症
大腿骨頭壊死 軟骨壊死など