こけて手をついたら肩・腕が痛い!腕の骨折(上腕骨外科頚骨折)について
転倒して手をついた際によく発生する上腕骨付け根(上腕骨外科頚)の骨折
直接肩を打って骨折することもあるが手をついた時に特に骨折します。
手の位置が内側か外側かで見た目、固定方法も少し変わってきます。
症状
・腕から胸にかけて広く内出血をして腫れる
・疼痛(激しい痛み)
・転移、変形
※肩関節前方脱臼に発生機序も似ているためしっかりと鑑別を行う必要がある。
脱臼の場合は肩(三角筋)の膨隆がなくなる骨折面が噛み合っていることが多いので腕の位置が通常通りで少し自分で動かすこともできる、パッと見た感じではわからないこともあるのでしっかり皮膚を見る。
治療
約6週間の固定を行う、肩関節の外転・外旋・内旋(腕を外側からあげる動きや捻じる動きの制限に注意をするため長期間の固定は避けてなるべく早めにリハビリを行う必要がある。
合併症
・肩関節脱臼
・血管損傷
・神経損傷
・肩関節亜脱臼
・機能障害
肩関節前方脱臼との比較
上腕骨外科頚(外転型)の骨折は上腕骨が内方を向くため、見た目は肩関節前方脱臼と似ているので鑑別をしっかり行う必要がある。
外転型骨折
・三角筋部に骨折血種による腫脹が著明に現れる
・肩峰下に上腕骨骨頭を触れれる(肩の位置が反対側と同じ位置にちゃんとある)
・関節運動はある程度保たれていて、その際、軋轢音(骨折した時に骨折面がこすれる音)を聴取できることがある。
肩関節前方脱臼
・三角筋部の膨隆が消失する。
・骨頭の位置異常(肩峰下に上腕骨骨頭が触れず空虚となる(本来腕がある位置に無い))
・関節運動を試みると弾発性固定が現れる。
最後に
高齢者に多い骨折の1つ、上腕骨外科頚骨折!老人が手をついて肩や腕が痛いと言った場合には疑いましょう特に固定期間が長いと高齢者の方は関節が固まりやすいのでリハビリがとても重要になります。機能障害を残さないためにもしっかりとリハビリを行いましょう。